マニュアルを作るとき、一番大変だったのは「手順を漏れなく洗い出すこと」です。
自分では当たり前にやっている作業ほど、書き出してみると「あれ、この手順どこいった?」ということが起きます。
頭の中では繋がっているのに、いざ言葉にすると抜けが出てくる。
私が初めてマニュアルを作ったとき、何度も作り直したのはそこでした。
この記事では、実際に業務マニュアルを作ってきた経験をもとに、構成の考え方と「伝わる書き方」のコツを紹介します。
難しく考えなくていいです。まず1本作り切ることが大事です。
業務マニュアルに必要な構成は4つだけ
「完璧な構成」を目指すと手が止まります。まずはこの4つを揃えれば十分です。
① タイトル・対象者・最終更新日
② 業務の全体像(何のための作業か)
③ 手順(番号つきで細かく)
④ 注意点・よくあるミス
表紙・用語集・変更履歴…と揃えたくなる気持ちはわかりますが、最初からそこまでやろうとするとマニュアルが完成しません。まず4つで1本作って、必要だと感じたら後から足せばいいです。
① タイトル・対象者・最終更新日
タイトルは「何の業務か」が一目でわかるように書きます。
【例】
NG:経費精算マニュアル
OK:経費精算の申請手順|マネーフォワード使用・月末締め版
対象者と最終更新日を書いておくと、「誰が・いつの情報を見ているか」が明確になります。
特に更新日は必須です。
古いマニュアルを信じて作業してしまうミスを防げます。
② 業務の全体像
手順の前に「この作業は何のためにやるのか」を1〜2行で書きます。
【例】
この手順は、毎月末に行う経費申請の操作手順です。
締め日は毎月末日。翌月5日までに承認が必要です。
これがあるだけで、読む側の理解スピードが全然違います。特に新人は「なぜこの作業をするのか」がわからないまま手順を追うことになりがちです。
③ 手順は「1ステップ1アクション」で書く
手順を書くとき、一番やりがちなのが「1文に複数の操作を詰め込む」ことです。
【NG例】
「〇〇を開いて、△△を選んだら、□□を入力して保存してください。」
【OK例】
1. 〇〇を開きます
2. △△を選択します
3. □□を入力します
4. 「保存」をクリックします
番号をつけて1行1アクションにするだけで、ぐっと読みやすくなります。
手順を洗い出すときのコツは、実際にその作業をやりながら書くことです。頭の中だけで書こうとすると必ず抜けが出ます。画面を操作しながら「今何をしたか」を実況するイメージで書くと漏れが減ります。
④ 注意点・よくあるミス
手順の最後か、該当するステップのすぐ下に書きます。
【例】
⚠️ 「確定」ボタンは一度押すと取り消しできません。内容を必ず確認してから押してください。
⚠️ 添付ファイルはPDF形式で保存してから添付してください。Excelのままだと開けない場合があります。
「やりがちなミス」は、自分が実際にやらかしたことや、前任者から引き継いだ注意事項が一番リアルで役に立ちます。
書き方の5つのコツ
コツ① 図やスクショを積極的に使う
私がマニュアルを作るとき、一番効果があったのは図やスクリーンショットを多用することでした。
文字で「左上の青いボタン」と書くより、スクショに矢印を入れた方が10倍早く伝わります。特にシステムの操作手順は、スクショなしだと「どの画面の話?」になりやすいです。
Windowsなら Win + Shift + S、Macなら Cmd + Shift + 4 でスクショが撮れます。
コツ② 一文を短くする
長い文章は読まれません。「〜して、〜して、〜する」という文は3つに分けましょう。
コツ③ 具体的な言葉を使う
「適切に入力する」「確認する」など、曖昧な表現は避けます。
「半角数字で入力する」「金額と日付が一致しているか確認する」のように、何をどうするかを具体的に書きます。
コツ④ 専門用語には注釈を入れる
社内でしか使わない言葉・システム名・略語には、初出時に説明を添えます。
【例】マネーフォワード(会社で使っている経費精算システム)にログインします。
コツ⑤ 「重要」は目立たせる
絶対に間違えてはいけない手順や、一度やったら取り消せない操作は太字や⚠️マークで目立たせます。
全部を強調すると逆効果なので、本当に重要なところだけに絞ります。
マニュアルのテンプレート(最小構成)
【タイトル】〇〇の手順
【対象者】〇〇担当者
【最終更新日】20XX年XX月XX日
■ この作業について
(何のための作業か・どのタイミングでやるか)
■ 手順
1.
2.
3.
⚠️ 注意:
■ よくあるミス・困ったときは
Q:〜になったときは?
A:〜してください
まずはこのテンプレートに埋めていくだけでOKです。
まとめ
マニュアル作りで一番大事なのは「完璧を目指さないこと」です。
最初から全項目揃えようとすると手が止まります。まずタイトル・全体像・手順・注意点の4つだけで1本仕上げて、使ってみてから改善する。
スクショや図を積極的に使えば、文章が少なくても伝わるマニュアルになります。
「作ったはいいけど誰も使わない」を避けるには、作ってすぐ誰かに使ってもらうのが一番です。「ここ意味わからなかった」というフィードバックが、マニュアルを育てる一番の材料になります。
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